株式会社フルヤ金属の業績を有価証券報告書から分析2024-09-26

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 1.87 1.65 -11.5
PER(株価収益率) 14.34 7.11 6.51 8.84 13.55 53.3
ROA(総資産利益率) 10.69 6.59 -38.3
ROE(自己資本利益率) 17.70 32.40 28.29 23.29 14.19 -39.1
売上高利益率 19.5 15.60 -20.0
純利益 9,394百万円 7,400百万円 -21.2
売上高 22,826百万円 33,840百万円 45,321百万円 48,115百万円 47,527百万円 -1.2
純資産 5,445百万円 44,369百万円 60,512百万円 36.4
総資産 31,833百万円 55,690百万円 72,662百万円 87,534百万円 112,721百万円 28.8

株価の割安性:平均的

この企業のPERは13.55倍、PBRは1.65倍であり、PERは市場平均の15倍を下回り、PBRは1倍を上回っています。これにより、株価は平均的と判断されます。PERが市場平均を下回る一方で、PBRが1倍を超えていることから、企業の資産価値に対する評価は高いものの、収益性に対する評価はやや低いことが示唆されます。要因として、売上高や純利益の減少、ROEやROAの低下が挙げられます。特に、純利益が前期比21.2%減少していることが、PERの上昇に寄与していると考えられます。

収益性:平均的

当期のROEは14.19%、ROAは6.59%、売上高利益率は15.60%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEは10%を超えており「高い」と評価できますが、ROAは5%を上回っているものの、売上高利益率が前期比で減少しているため、全体として収益性は平均的と判断できます。

収益性が平均的である要因として、売上高が前期比で1.2%減少し、売上高利益率も20%から15.60%に低下したことが挙げられます。特に、電子や薄膜セグメントでの売上減少が影響しています。また、研究開発費の増加や支払利息の増加も収益性に影響を与えています。これらの要因が収益性の低下に寄与していると考えられます。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比1.2%減少し、47,527百万円となっています。純利益も21.2%減少し、7,410百万円に落ち込んでいます。ROAやROEもそれぞれ38.3%と39.1%減少しており、自己資本利益率の大幅な低下が見られます。また、売上高利益率も20%減少しており、利益率の低下が顕著です。

要因としては、主要貴金属価格の緩やかな下落や、顧客の在庫調整が続いたことが挙げられます。特に、電子や薄膜セグメントでの売上高がそれぞれ18.7%と12.1%減少しており、これが全体の業績に大きく影響しています。また、研究開発費の増加も利益の減少に寄与しています。

株式会社フルヤ金属の概要や事業内容など

企業名 株式会社フルヤ金属
URL https://www.furuyametals.co.jp/
業種 その他製品
決算日 6月30日

企業概要

株式会社フルヤ金属は、工業用貴金属製品の製造および販売を主たる業務とする企業です。連結子会社3社、非連結子会社2社、その他の関係会社2社を含むグループ構成で、プラチナグループメタル(PGM)を中心とした貴金属製品を提供しています。PGMは耐熱性、化学的安定性、良導電性、触媒活性などの優れた特性を持ち、エレクトロニクス、光学ガラス、クリーンエネルギー、環境、医療など多岐にわたる分野で重要な素材とされています。フルヤ金属は、これらの特性を活かし、ルツボ、薄膜素材、熱電対などの製品を製造・販売しています。企業理念として「科学技術の発展に寄与し、社会の繁栄に貢献する」を掲げ、社員を大切にする経営、コンプライアンスの重視、高品質意識の徹底などを基幹方針としています。

事業内容

フルヤ金属グループの事業は、主に以下の5つのセグメントに分かれています。

1. 電子: 携帯電話のSAWフィルターや光ファイバ増幅器内の光アイソレーター、LED用基板、癌診断に用いられるポジトロン放射断層撮像法装置のシンチレーターなどの製造に使用される酸化物単結晶の育成に用いられるルツボや、ディスプレイ、各種レンズ等の光学ガラス溶解・成形に用いられる工業用貴金属製品を製造・販売しています。

2. 薄膜: 磁気記録媒体の薄膜形成や次世代半導体に使用される貴金属スパッタリングターゲットの製造・販売を行っています。また、つくば研究開発センターのスパッタリング装置を使用し、薄膜製造プロセスの受託も行っています。

3. サーマル: シリコン半導体製造、化合物半導体製造、ファインセラミックス製造などの高温工程における温度測定・制御に使用される熱電対や半導体製造装置の熱効率向上・温度管理関連製品を製造・販売しています。

4. ファインケミカル・リサイクル: 各種触媒向け貴金属化合物や有機EL燐光材向高純度化合物、触媒・電極向け貴金属化合物の製造・販売、工業用貴金属のリサイクル・精製受託を行っています。

5. サプライチェーン支援: 当社製品の受注に関係しない主要な貴金属原材料の販売を行っています。

これらの事業を通じて、フルヤ金属グループは多様なユーザーのニーズに応え、社会と環境に貢献する次世代製品の開発に取り組んでいます。