株式会社アイキューブドシステムズの業績を有価証券報告書から分析2024-09-25

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 3.02 3.08 2.0
PER(株価収益率) 20.70 17.70 17.20 -2.8
ROA(総資産利益率) 12.89 12.80 -0.8
ROE(自己資本利益率) 24.29 18.39 18.10 -1.6
売上高利益率 16.5 15.69 -4.8
純利益 440百万円 463百万円 5.2
売上高 2,454百万円 2,665百万円 2,949百万円 10.7
純資産 404百万円 2,574百万円 2,580百万円 0.2
総資産 3,203百万円 3,399百万円 3,609百万円 6.2

株価の割安性:割高

この企業は、PERが17.20倍PBRが3.08倍と市場平均を上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、CLOMO事業の安定した収益基盤と成長性、特にOEM提供による新規顧客の獲得が進んでいることが挙げられます。また、ROEが18.10%と高水準であることも、投資家からの評価を高めている要因です。さらに、ベトナムのソフトウェア開発会社の子会社化による開発リソースの強化も、将来の成長期待を高めています。

収益性:高い

当期のROEは18.10%、ROAは12.80%、売上高利益率は15.69%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、収益性は高いと判断できます。ROEは10%を大きく超え、ROAも5%を大幅に上回っており、売上高利益率も15.69%と非常に高い水準です。

収益性が高い要因として、以下の点が挙げられます。まず、売上高が前期比10.7%増加しており、特にCLOMO事業が大きく貢献しています。CLOMO事業では、OEM提供を通じた新規顧客の獲得が進み、導入法人数が大幅に増加しました。また、オプションサービスの拡充や高い継続率を維持するためのカスタマーサクセス活動が収益性向上に寄与しています。さらに、ベトナムのソフトウェア開発会社の子会社化により、開発リソースの強化も進んでいます。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは「好調」と判断されます。売上高は前期比10.7%増加し、2,949百万円に達しています。純利益も5.2%増加し、463百万円となっています。営業利益と経常利益もそれぞれ11.9%と9.6%増加しており、全体的に成長を示しています。

要因としては、主軸事業であるCLOMO事業のOEM提供を通じた新規顧客の獲得が進んだことが挙げられます。また、CLOMOサービスの機能強化やオプションサービスの拡充がARPUの向上に寄与しています。さらに、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)への登録が信頼性向上に繋がり、新規顧客の獲得に貢献しています。

株式会社アイキューブドシステムズの概要や事業内容など

企業名 株式会社アイキューブドシステムズ
URL https://www.i3-systems.com/
業種 情報・通信業
決算日 6月末日

企業概要

当社グループは、株式会社アイキューブドベンチャーズ、アイキューブド1号投資事業有限責任組合、10KN COMPANY LIMITEDの連結子会社3社を含む計4社で構成されています。パーパスを「笑顔につながる、まだ見ぬアイデア実現の母体となる」とし、提供価値を「デザインとエンジニアリングの力で、挑戦を支える」と定義しています。ブランドスローガン「挑戦を、楽しもう。」のもと、挑戦的な文化を醸成し、ITを軸とした様々な挑戦を積極的に進める企業を目指しています。主な事業は、企業や教育、医療の現場で活用されるモバイル端末の一元管理・運用を行うSaaS(Software as a Service)を提供する「CLOMO事業」と、CVCやM&Aを通じた投資活動によって持続的な成長を目指す「投資事業」です。2024年6月期の連結売上高は2,949,083千円で、前年同期比10.7%増加しました。従業員数は157名で、平均年齢は35.7歳、平均勤続年数は4.7年、平均年間給与は6,551千円です。

事業内容

当社グループの事業は主に「CLOMO事業」と「投資事業」の2つに分かれます。

CLOMO事業は、法人向けモバイル端末(iPad、iPhone、Android、モバイルPC)を一元的に管理・運用するサービス「CLOMO MDM」をライセンス形式で提供しています。さらに、モバイル端末向けアプリケーション「CLOMO SECURED APPs」のライセンスや、MDMに関連するオプションサービスも販売しています。これらのサービスはクラウドを介してSaaSとして提供され、月額や年額で定額課金するサブスクリプション型を採用しています。主な販売パートナーを通じて法人顧客にサービスを提供し、販売パートナーへの支援活動として製品に関する勉強会や商談サポート、カスタマーサポートを行っています。CLOMO事業は、Apple Inc.やGoogle LLC、日本マイクロソフト株式会社との協業により、iOS、Android、Windowsデバイスの管理・活用に強みを持っています。

投資事業では、ベンチャーキャピタル子会社である「株式会社アイキューブドベンチャーズ」を通じて「アイキューブド1号投資事業有限責任組合」を設立し、スタートアップ投資を行っています。主な投資対象はモバイル、SaaS、セキュリティ等、当社グループの事業領域と親和性の高い企業や、社会課題解決型企業、九州の地場で活動している企業です。この投資活動により、イノベーションの連鎖を創出し、新たな価値創造への挑戦に貢献することを目指しています。

これらの事業を通じて、当社グループは持続的な成長と社会貢献を目指しています。