三益半導体工業株式会社の業績を有価証券報告書から分析2024-08-29

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 4.11 1.25 1.45 15.7
PER(株価収益率) 18.60 19.89 15.10 12.60 16.60 31.7
ROA(総資産利益率) 3.79 4.40 4.90 6.09 5.90 -3.3
ROE(自己資本利益率) 6.19 6.30 7.5 10.39 9.0 -13.5
売上高利益率 4.19 4.90 6.90 8.39 8.0 -4.8
純利益 3,874百万円 4,133百万円 5,126百万円 7,618百万円 7,146百万円 -6.2
売上高 92,075百万円 85,051百万円 74,432百万円 90,936百万円 89,109百万円 -2.0
純資産 18,824百万円 76,396百万円 81,589百万円 6.8
総資産 101,576百万円 94,135百万円 104,280百万円 124,339百万円 121,181百万円 -2.5

株価の割安性:平均的

この企業のPERは16.60倍、PBRは1.45倍であり、PERは市場平均の15倍を若干上回り、PBRは1倍を上回っています。これらの数値から、株価は平均的と判断されます。要因として、半導体業界における需要の変動や、主要取引先である信越化学工業㈱への依存度が高いことが挙げられます。また、売上高や純利益が前期比で減少していることも影響しています。全体として、業績は安定しているものの、特定のリスク要因が株価に影響を与えていると考えられます。

収益性:平均的

当期のROEは9.0%、ROAは5.9%、売上高利益率は8.0%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEは10%の目安を下回っているため「平均的」と評価できます。ROAは5%の目安を上回っているため「高い」と評価できます。売上高利益率も8.0%と健全な水準です。

収益性が平均的から高い水準にある要因として、売上高が前期比2.0%減少したものの、依然として高い利益率を維持していることが挙げられます。特に、半導体事業部の売上高が減少した一方で、産商事業部の売上高が増加し、全体の収益性を支えています。また、最先端加工技術の推進と低コスト化の両立が収益性の維持に寄与しています。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比2.0%減少し、純利益も6.2%減少しています。ROAやROEもそれぞれ3.3%と13.5%の減少を示しており、全体的に利益率が低下しています。特に、売上高利益率が4.8%減少していることから、収益性の低下が顕著です。

要因としては、半導体事業部がデバイス市場における在庫調整の影響を受け、売上高が11.9%減少したことが挙げられます。また、エンジニアリング事業部も売上高が27.3%減少しており、これが全体の業績に悪影響を与えています。さらに、設備投資による減価償却費の増加も経営成績に影響を与えている可能性があります。

三益半導体工業株式会社の概要や事業内容など

企業名 三益半導体工業株式会社
URL https://www.mimasu.co.jp/
業種 金属製品
決算日 5月31日

企業概要

当社は、半導体材料の加工、精密機器の販売、自動化装置の設計・製作・販売を主な事業とする企業です。企業集団は当社、その他の関係会社1社及びその子会社で構成されています。半導体事業部、産商事業部、エンジニアリング事業部の3つの事業部門があり、それぞれが半導体産業に深く関わりつつ連携しています。主要な得意先は信越半導体㈱であり、特にプライムウエハー加工の受注を行っています。資本金は188億24百万円で、発行済株式総数は35,497,183株です。従業員数は1,186名で、平均年齢は40.3歳、平均勤続年数は17.2年、平均年間給与は5,767,335円です。労働組合は2011年に結成され、労使関係は良好です。管理職に占める女性労働者の割合は12.9%、男性労働者の育児休業取得率は57.9%です。

事業内容

当社の事業は、半導体事業部、産商事業部、エンジニアリング事業部の3つのセグメントに分かれています。半導体事業部では、シリコンウエハー(プライムウエハー、再生ウエハー)などの製品を取り扱い、主に信越半導体㈱からの受注を受けています。産商事業部は、計測器、試験機、その他精密機器を販売し、特に半導体関連産業の技術動向を迅速に把握し、ユーザーニーズに応じた営業活動を展開しています。エンジニアリング事業部は、半導体材料加工装置やロボットシステムなどの自動化装置を設計・製作・販売し、他事業部との連携を強化しながら特色ある装置開発を行っています。各事業部はそれぞれの強みを活かし、高品質・低コストの実現を目指しており、経済情勢や市況の変化に柔軟に対応できる体制を整えています。今後も半導体材料加工事業を中心に、収益の継続的な増大と経営効率の改善を図り、総資産経常利益率及び自己資本利益率の向上を目指します。