2024-03-28有価証券報告書　　ＤＩＣ株式会社

企業概要

当社グループは、連結子会社166社及び関連会社18社により構成されています。主な事業内容としては、パッケージング＆グラフィック、カラー＆ディスプレイ、ファンクショナルプロダクツの3つのセグメントがあります。

各事業の内容と状況

パッケージング＆グラフィック事業では、パッケージ用インキや出版用インキの製造、販売を行っています。カラー＆ディスプレイ事業では、塗料用顔料やプラスチック用顔料、ディスプレイ用顔料の製造、販売を行っています。ファンクショナルプロダクツ事業では、エポキシ樹脂や工業用テープ、合成樹脂などの製造、販売を行っています。

従業員について

2023年12月31日現在、連結会社の従業員数は22,255人で、セグメントごとの内訳は以下の通りです。提出会社の状況に関しては、平均年齢44.7歳、平均勤続年数19.5年、平均年間給与7,537,761円です。

セグメント	従業員数（人）
パッケージング＆グラフィック	10,320
カラー＆ディスプレイ	4,309
ファンクショナルプロダクツ	5,623
その他	485
全社（共通）	1,518
合計	22,255

関連企業

主要な連結子会社として、ＤＩＣグラフィックス㈱（印刷インキ等の製造、販売）、Sun Chemical Group Coöperatief U.A.（同グループ会社に対する投資及び資金の貸付）などがあります。

業績

当期の業績は次の通りです。

指標	単位	前期	当期	当期比 (%)
売上高	百万円	1,054,201	1,038,736	△1.5%
営業利益	百万円	39,946	9,216	△76.9%
親会社株主に帰属する当期純損益	百万円	17,610	△39,857	赤字化
EBITDA	百万円	85,500	30,800	△63.9%

各指標の増減について

売上高は前年同期比1.5％減少しました。この要因は、米国や欧州でのインフレ抑制策の影響や、中国での不動産市場の低迷などが挙げられます。営業利益は、塗料用顔料やプラスチック用顔料の出荷減少の影響を受けて、大幅に減少しました。カラー＆ディスプレイ事業においてのれんの減損損失が発生したため、親会社株主に帰属する当期純損失は399億円の赤字となりました。

リスクについて

主なリスクとして、ポートフォリオ転換に関するリスクや企業買収・資本提携が想定通りに進まないリスク、政治・地政学変動に関するリスクが挙げられます。また、災害や事故の発生に伴うリスクもあります。

まとめ

当社グループの業績は塗料用顔料やプラスチック用顔料の出荷減少が大きく影響しました。全体としては売上高はほぼ前年並みである一方、のれんの減損損失などにより親会社株主に帰属する当期純損失が発生しました。今後も顧客業界の需要動向に注意を払いながら、経営資源の集中と効率的なリソース配分を進める必要があります。現状としては厳しい経営状況にありますが、一部の市場で回復の兆しがみられるものの、引き続き困難な状況が続くと予測されます。