有価証券報告書解説

企業概要

当社グループは、当社および連結子会社3社で構成されています。主要な事業分野には機械関連事業、資源関連事業、不動産関連事業、素材関連事業があります。主に舶用機器や産業機器の製作・施工のほか、ハイシリカ（精製珪石粉）の製造・販売、オフィスビルの賃貸、耐熱塗料の製造・販売などを展開しています。

各事業の内容と状況

機械関連事業： 舶用機器や一般産業機械の製作とプラント関連機器の製作、設置を行っています。特に船舶関連事業は国内造船所の受注動向に依存していますが、近年は受注量の減少と人手不足が課題となっています。
資源関連事業： ハイシリカの製造・販売を中心に展開しており、特に半導体関連需要に応じた高付加価値製品の生産に注力しています。しかし、中国市場の需要減少が課題となっています。
不動産関連事業： 賃貸オフィスビルの運営と管理を行っています。都内オフィスビルの空室率の変動が業績に影響を与える要因となっています。
素材関連事業： 耐熱塗料の製造・販売や高純度天然ゴムの加工・販売を手がけています。輸出が伸び悩む一方で、新規顧客の開拓が進んでいます。

従業員について

セグメントの名称	従業員数（人）	平均年齢（歳）	平均勤続年数（年）	平均年間給与（円）
機械関連事業	184	46.1	15.5	4168094
資源関連事業	54
素材関連事業	40
全社（共通）	8
合計	286

当社の従業員数は前年度比で41名減少しており、結晶質石灰石事業の終了に伴う希望退職が主な理由です。労使関係は安定しており、労働組合との対話は良好です。

関連企業

• 東京熱化学工業㈱（素材関連事業）
• 三扇機工㈱（素材関連事業）
• ㈱ミンクス（機械関連事業）

業績

回次	決算年月	売上高（百万円）	経常利益（百万円）	親会社株主に帰属する当期純利益（百万円）	純資産額（百万円）
第94期	2019年3月	8424	137	55	11106

当期の売上高は8,024百万円であり、前期比2.1%増加しましたが、経常損失は23百万円（前年の経常利益は47百万円）となりました。当期純利益は540百万円の損失（前年は121百万円の損失）でした。

各指標の増減について

売上高は増加しましたが、一部不採算工事の発生と結晶質石灰石事業の終了に伴う事業構造改革費用の計上が損失の主な原因です。また、繰延税金資産の取崩しが当期純損失に大きく影響しています。

リスクについて

この企業特有のリスクとして、市場動向の変動や原材料の調達リスクがあります。特に機械関連事業や資源関連事業は、顧客の需要動向や技術革新の影響を大きく受けます。また、鉱業関連事業における鉱害防止費用の増加や休廃止鉱山におけるリスクも存在します。

まとめ

当社グループの業績は、機械関連事業や資源関連事業での課題に直面していますが、ハイシリカ部門の堅調な需要や新規顧客の開拓が進んでいます。今後の課題としては、技術革新への対応や人員確保、原材料の安定調達があります。総合的に見ると現状は不調ですが、戦略的な対応により改善の見込みがあると言えます。