2023-06-28有価証券報告書 住友電気工業株式会社

企業概要

当社グループは、自動車関連事業、情報通信関連事業、エレクトロニクス関連事業、環境エネルギー関連事業、産業素材関連事業の5つの主要部門にわたり、事業活動を展開しています。

各事業の内容と状況

自動車関連事業

ワイヤーハーネス、車載エレクトロニクス機器、自動車電装部品、防振ゴムなどの提供。電動化や自動運転技術向上に対応した製品の開発に注力しています。

情報通信関連事業

光ファイバ・ケーブル、光接続機器、光通信デバイスなどの提供。データセンターや5Gなどの高速大容量通信の需要に対応した製品の開発を行っています。

エレクトロニクス関連事業

FPC、電子ワイヤー製品、多孔質フッ素樹脂膜などを提供。車載用、医療用、5G対応製品の開発を推進しています。

環境エネルギー関連事業

電力ケーブル、蓄電池、超電導製品などを提供。超高圧直流送電ケーブルや次世代エネルギーネットワークシステムの開発が主要な課題です。

産業素材関連事業

超硬合金、特殊鋼線、ダイヤモンド工具、セラミックス製品を提供。電動車や再生可能エネルギー関連市場向けの製品開発を進めています。

従業員について

セグメントの名称	従業員数（人）	(臨時従業員数)
自動車関連事業	231,006	(38,257)
情報通信関連事業	7,455	(1,125)
エレクトロニクス関連事業	19,761	(2,130)
環境エネルギー関連事業	15,407	(2,474)
産業素材関連事業	15,562	(1,539)
合計	289,191	(45,525)

関連企業

• 住友電装㈱ – 自動車関連事業
• 住友理工㈱ – 自動車関連事業
• 住友電工デバイス・イノベーション㈱ – 情報通信関連事業
• 日新電機㈱ – 環境エネルギー関連事業
• 住友電設㈱ – 環境エネルギー関連事業

業績

項目	当期	前期	前期比(%)
売上高 (百万円)	4,005,561	3,367,863	18.9%
経常利益 (百万円)	173,348	138,160	25.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 (百万円)	112,654	96,306	17.0%
包括利益 (百万円)	231,936	201,602	15.1%
純資産額 (百万円)	2,110,819	2,052,938	2.8%
総資産額 (百万円)	4,013,008	3,807,390	5.4%

各指標の増減について

売上高はワイヤーハーネスや電力ケーブルなどの製品の拡販による増加、円安の影響もあり前期比18.9％増。

経常利益は資材価格の高騰をコスト低減や売値改善で補い、25.5％増。

親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益や減損損失の計上により前期比17.0％増。

包括利益は為替換算調整勘定の増加により前期比15.1％増。

純資産額は親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、2.8％増。

総資産額は受取手形及び売掛金の増加と有形固定資産や投資有価証券の増加により5.4％増。

リスクについて

自動車関連事業では半導体等の部品供給不足による生産の遅れが見込まれるため、コスト低減と資産効率化に注視する必要があります。

情報通信関連事業では、クラウドサービス市場の拡大や5Gの普及により通信データ量が増加しているため、データセンター関連製品の拡販が課題です。

エレクトロニクス関連事業では、車載や医療用FPCの拡販が見込まれるため、微細回路形成技術の強化が急務です。

環境エネルギー関連事業では、高電圧直流送電ケーブルなどの需要増加に伴う生産能力の強化が必要です。

産業素材関連事業では、超硬工具の市場シェア拡大と電動車向け製品開発が重要な課題となっています。

まとめ

当社グループの各事業は成長途上にあり、特に自動車、環境エネルギー、情報通信関連事業での成長が顕著です。今後、各事業の拡販と技術開発の推進によるさらなる成長が期待されます。ただし、世界経済の不確実性やコスト上昇への対応が求められるため、リスク管理と戦略的投資を進めていく必要があります。