2023-06-28有価証券報告書 アンリツ株式会社

企業概要

この企業は、通信計測及びPQA（プロダクツ・クオリティ・アシュアランス）の開発、製造、販売を主たる事業とし、これらに附帯する保守、サービスなどを行っています。また、不動産賃貸業も営んでいます。

各事業の内容と状況

企業は大きく通信計測事業とPQA事業を進めています。通信計測事業では、デジタル通信やIPネットワーク用測定器を提供し、PQA事業では主に食品産業向けの品質保証プロセスを支援する製品を展開しています。通信計測事業は特に5Gネットワークの普及に伴い需要が増加していますが、原材料価格の高騰や人件費の上昇により固定費が増加しています。一方、PQA事業は食品業界の品質保証ニーズの高まりと供給の増加に牽引されています。

従業員について

セグメントの名称	従業員数（人）
通信計測	2787
PQA	764
その他	553
全社	40
合計	4144

この企業における従業員数は4,144人で、最も多く従事しているのは通信計測事業です。平均年齢は44.5歳、平均勤続年数は19.8年で、平均年間給与は約755万円です。

関連企業

関連企業としては、アメリカやヨーロッパ、アジア各国に多くの子会社を持っています。これらの子会社は、主に通信計測およびPQA事業において現地の市場に対応しています。

業績

項目	数値	前期比%
売上収益 (百万円)	110919	5.2%
税引前利益 (百万円)	12438	-27.5%
当期利益 (百万円)	9272	-27.9%
総資産額 (百万円)	152238	-0.7%
1株当たり当期利益 (円)	69.98	-25.5%

当期の売上収益は前年比で5.2%増加しましたが、税引前利益と当期利益はそれぞれ27.5%、27.9%減少しています。これは原材料費の高騰と固定費の増加が影響していると考えられます。

各指標の増減について

売上収益が増加している一方、利益は減少しています。これは原材料費の上昇やインフレの進行、固定費の上昇が主な要因です。今後も引き続きコスト管理と効率化を進める必要があります。

リスクについて

この企業は、主要なリスクとして原材料費の高騰、インフレ、人材確保の難しさ、地政学的リスク、法令違反リスクを挙げています。特に通信計測およびPQA事業では、部品調達の不安定さが供給に影響を及ぼすリスクが高いです。

まとめ

この企業は、通信計測およびPQA分野において全世界で存在感を強めていますが、原材料費や人件費の上昇といったコスト面での課題を抱えています。売上は増加しているものの、利益面での圧迫は依然として大きく、今後も経営改善と効率化が求められます。アナリストの視点からは、全体的な市場環境は依然として不透明であり、課題の解決が急務であると言えます。