テックファームホールディングス株式会社の業績を有価証券報告書から分析2024-09-27

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 1.68
PER(株価収益率) 24.60
ROA(総資産利益率) -1.20 3.79
ROE(自己資本利益率) 7.0
売上高利益率 -0.80 3.09
純利益 -49百万円 156百万円
売上高 6,312百万円 6,004百万円 5,519百万円 5,770百万円 5,073百万円 -12.1
純資産 1,000百万円 2,166百万円 2,276百万円 5.1
総資産 4,307百万円 3,648百万円 3,692百万円 4,033百万円 4,065百万円 0.8

株価の割安性:割高

この企業は、PERが24.60倍PBRが1.68倍と市場平均を上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、ICTソリューション事業における先端技術の活用や、クロスボーダー流通プラットフォーム事業の展開による成長期待が挙げられます。また、ROEが7.0%と比較的高いことも投資家からの評価を高めている要因と考えられます。さらに、売上高利益率やROAの改善も見られ、これらの要素が株価を押し上げていると推測されます。

収益性:平均的

当期のROEは7.0%、ROAは3.79%、売上高利益率は3.09%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると平均的と判断できます。売上高利益率も3.09%と低めです。

収益性が平均的である要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高が前期比12.1%減少しており、特にICTソリューション事業の一部大型開発案件の計画変更が影響しています。また、クロスボーダー流通プラットフォーム事業も進出拠点の遅れにより流通量が伸び悩んでいます。さらに、エンジニアの採用が進んだものの、外注費の抑制が収益性の改善に寄与していますが、全体的な売上減少が収益性を押し下げています。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは「好調」と判断されます。売上高は前期比12.1%減少していますが、営業利益は38.1%増加し、経常利益も40.3%増加しています。特に、親会社株主に帰属する当期純利益は前期の損失から一転して155,914千円の黒字となっています。ROAやROEも改善しており、総資産利益率は3.79%、自己資本利益率は7.0%に達しています。

要因としては、ICTソリューション事業におけるプロジェクト進捗のモニタリングや品質チェックの効果が現れ、採算が改善したことが挙げられます。また、エンジニアの採用が順調に進み、外注費の抑制に繋がったことも利益増加に寄与しています。さらに、クロスボーダー流通プラットフォーム事業においても、シンガポールでの直営店舗のオープンなど基盤作りへの投資が進んでいることが好調の要因と考えられます。

テックファームホールディングス株式会社の概要や事業内容など

企業名 テックファームホールディングス株式会社
URL https://www.techfirm-hd.com/
業種 情報・通信業
決算日 6月30日

企業概要

当社グループは、当社及び連結子会社8社(2024年6月30日現在)で構成されており、ICTソリューション事業とクロスボーダー流通プラットフォーム事業を展開しています。ICTソリューション事業では、先端技術を活用した業務システム及び基幹システム等の受託開発・運用保守を行っており、主要な連結子会社にはテックファーム株式会社、Prism Solutions Inc.、Techfirm USA Inc.、Techfirm Asia Pte. Ltd.があります。一方、クロスボーダー流通プラットフォーム事業では、食品及び美容品等の海外輸出、卸売、コンサルティング業務を行っており、主要な連結子会社には株式会社WeAgriがあります。2024年6月期の連結業績は、売上高5,072,509千円、営業利益239,255千円、経常利益261,000千円、親会社株主に帰属する当期純利益155,914千円となりました。

事業内容

当社グループの事業は、ICTソリューション事業クロスボーダー流通プラットフォーム事業の2つのセグメントに分かれています。ICTソリューション事業では、先端技術を活用した業務システム及び基幹システム等の受託開発・運用保守を行っており、主要な連結子会社にはテックファーム株式会社、Prism Solutions Inc.、Techfirm USA Inc.、Techfirm Asia Pte. Ltd.があります。この事業では、XRデバイスや生成AI等の先端技術を活用した開発案件の実績を積み重ね、新規顧客の獲得と安定的な収益の確保に努めています。一方、クロスボーダー流通プラットフォーム事業では、食品及び美容品等の海外輸出、卸売、コンサルティング業務を行っており、主要な連結子会社には株式会社WeAgriがあります。この事業では、ITと最新の流通技術を組み合わせ、アジアと日本をつなぐ越境流通プラットフォームの展開を目指しており、シンガポールに直営店舗を開設し、顧客とのタッチポイントを増やすことで流通データの分析と活用を進めています。