株式会社インテージホールディングスの業績を有価証券報告書から分析2024-09-26

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 1.95 1.76 -9.5
PER(株価収益率) 20.95 18.37 14.77 17.90 23.25 29.8
ROA(総資産利益率) 7.59 5.40 -28.9
ROE(自己資本利益率) 5.90 11.60 11.30 11.39 7.80 -31.6
売上高利益率 5.5 3.90 -29.1
純利益 3,380百万円 2,465百万円 -27.1
売上高 66,881百万円 57,559百万円 60,233百万円 61,387百万円 63,279百万円 3.1
純資産 2,379百万円 31,005百万円 32,440百万円 4.6
総資産 41,489百万円 45,751百万円 45,634百万円 44,391百万円 45,319百万円 2.1

株価の割安性:割高

この企業は、PERが23.25倍PBRが1.76倍と市場平均を上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、売上高の増加(前期比3.1%増)や、NTTドコモとの資本業務提携による成長期待が挙げられます。しかし、ROEやROAの低下純利益の減少(前期比27.1%減)などの収益性の低下が見られ、これがPERの上昇に寄与しています。これらの要素が投資家からの評価を高め、株価上昇につながっています。

収益性:低い

当期のROEは7.8%、ROAは5.4%、売上高利益率は3.9%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEは10%を下回り、ROAは5%をわずかに上回っていますが、売上高利益率が低いため、収益性は低いと判断できます。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高は前期比3.1%増加したものの、純利益が27.1%減少しており、コスト管理や価格競争の影響が大きいと推測されます。また、特定のお客様のマーケティング予算引き締めや、投資費用の増加が利益を圧迫しています。さらに、ドコモとの資本業務提携に関連する費用も発生しており、これが収益性の低下に寄与していると考えられます。

これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、コスト管理の強化や高収益案件の獲得が必要です。また、投資の効果を早期に実現するための戦略も重要です。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比3.1%増加し、成長を見せていますが、純利益は27.1%減少し、ROAやROEも大幅に低下しています。特に、ROEは前期の11.39%から当期の7.80%に急落しており、自己資本利益率の大幅な低下が見られます。また、売上高利益率も29.1%減少しており、利益率の低下が顕著です。

要因としては、投資費用の増加や、売上拡大を見込んだ人員体制強化などにより費用が増加した一方で、売上計画未達によりコスト増を吸収できなかったことが挙げられます。また、特定のお客様のマーケティング予算引き締めの影響や、CRO事業の売上減少も影響しています。

株式会社インテージホールディングスの概要や事業内容など

企業名 株式会社インテージホールディングス
URL https://www.intageholdings.co.jp/
業種 情報・通信業
決算日 6月30日

企業概要

株式会社インテージホールディングスは、マーケティング支援やビジネスインテリジェンスを主な事業とする企業グループです。連結子会社29社および持分法適用会社3社を有し、消費財・サービス、ヘルスケア、ビジネスインテリジェンスの各分野で事業を展開しています。2024年6月期の売上高は63,279百万円で、前年同期比3.1%増加しました。また、営業利益は3,289百万円、経常利益は3,543百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は2,456百万円となっています。主要な連結子会社には、株式会社インテージ、株式会社インテージリサーチ、株式会社インテージヘルスケアなどがあります。企業のビジョンとして「知る、つなぐ、未来を拓く」を掲げ、データとテクノロジーを活用した新たな価値の創出を目指しています。

事業内容

インテージホールディングスの事業は大きく3つのセグメントに分かれています。「マーケティング支援(消費財・サービス)」では、消費者や店舗からデータを収集し、パネル調査やカスタムリサーチを通じて顧客のマーケティング課題に応えます。主要な連結子会社には、株式会社インテージ、株式会社インテージリサーチなどがあります。「マーケティング支援(ヘルスケア)」では、医薬品や医療機器に関する市場調査、CRO業務、医療プロモーション、処方情報分析などを行い、株式会社インテージヘルスケアや株式会社協和企画が主要な連結子会社です。「ビジネスインテリジェンス」では、システムの開発・運用、BPO、ソフトウェアの開発・販売、データセンター運用などを行い、株式会社インテージテクノスフィアや株式会社データエイジが主要な連結子会社です。これらの事業を通じて、インテージホールディングスはデータの収集、価値化、活用を推進し、顧客のビジネス成長を支援しています。