東洋電機製造株式会社の業績を有価証券報告書から分析2024-08-29

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 0.33 0.38 14.4
PER(株価収益率) 10.5 10.80 10.10 10.80 6.9
ROA(総資産利益率) 1.70 1.79 5.9
ROE(自己資本利益率) 4.40 4.09 -4.0 3.5 3.70 5.7
売上高利益率 2.70 2.90 7.4
純利益 824百万円 935百万円 13.5
売上高 39,071百万円 33,143百万円 30,158百万円 31,025百万円 32,140百万円 3.6
純資産 4,998百万円 24,582百万円 26,070百万円 6.1
総資産 55,165百万円 51,967百万円 46,916百万円 49,682百万円 51,652百万円 4.0

株価の割安性:割安

この企業は、PERが10.80倍PBRが0.38倍と市場平均を下回り、割安と判断されます。割安の要因としては、ROEが3.7%と低めであること、売上高が緩やかに回復しているものの、依然として成長が限定的であることが挙げられます。また、固定資産の減損損失の計上や一部事業の売上減少も影響しています。これらの要素が投資家からの評価を抑え、株価の割安感を生んでいると考えられます。

収益性:低い

当期のROEは3.7%、ROAは1.79%、売上高利益率は2.9%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると低いと判断できます。売上高利益率も2.9%と低めです。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高は前期比3.6%増加しているものの、成長が緩やかであることが挙げられます。また、ROEとROAの低さは、資本効率や総資産効率が十分に高くないことを示しています。さらに、ICTソリューション事業の売上高が前期比9.3%減少しており、特にこのセグメントの収益性が低下していることが影響していると考えられます。

これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、特にICTソリューション事業の強化や新規事業の開拓が必要です。また、コスト管理の強化や高収益案件の獲得も重要です。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは「好調」と判断されます。売上高は前期比3.6%増加し、32,140百万円に達しています。純利益も前期比13.5%増加し、935百万円となっています。さらに、営業利益は前期比79.2%増加し、9億27百万円、経常利益は前期比50.7%増加し、14億87百万円となっています。これらの数値は、企業が大幅な成長を遂げていることを示しています。

要因としては、交通事業における国内外の需要回復や、産業事業における電気自動車(EV)開発向けの設備投資の増加が大きく寄与しています。特に、インドネシア都市交通向けの電機品や中国の高速鉄道向け保守部品の受注が増加していることが挙げられます。また、産業事業では、バッテリーを模擬する電源設備や省スペース製品の受注が増加しており、これが業績の向上に寄与しています。

東洋電機製造株式会社の概要や事業内容など

企業名 東洋電機製造株式会社
URL https://www.toyodenki.co.jp/
業種 電気機器
決算日 5月31日

企業概要

当社グループは、当社及び連結子会社7社、非連結子会社3社、持分法適用関連会社2社、持分法非適用関連会社2社により構成され、交通・産業・ICTソリューション事業用の電気機械器具の製造及び販売並びにこれに付帯する工事を行っております。また、当社は、交通事業部、産業事業部、ICTソリューション事業部の事業部制を採用しております。
当社グループの主要な経営指標等の推移を見てみると、売上高は2020年から2024年にかけて減少傾向にありましたが、2023年以降は回復傾向にあります。経常利益も同様に増加傾向にあり、2024年には1487百万円に達しました。
従業員数は2024年5月31日現在で1147人であり、交通事業、産業事業、ICTソリューション事業の各セグメントに分かれています。
当社の労働組合は東洋電機労働組合と称し、2024年5月31日現在で592名の組合員が所属しています。労使関係は安定しており、連結子会社の泰平電機株式会社にも労働組合があります。
当社グループは、社会・顧客・株主に貢献すること、未来に挑戦すること、信用を高めることを大切にし、創業から100年以上にわたり高品質な製品・サービスを提供してきました。これからも技術や品質を磨き続け、持続可能な社会の実現に貢献し、企業価値の向上を目指しています。

事業内容

当社グループは、交通事業、産業事業、ICTソリューション事業の3つの主要な事業を展開しています。
交通事業では、鉄道車両用電機品、新交通システム車両用電機品、特殊車両用電機品、鉄道用電力貯蔵装置などを製造・販売しています。主要な関連会社には、東洋工機㈱、泰平電機㈱、洋電貿易(北京)有限公司(中国)、常州洋電展雲交通設備有限公司(中国)などがあります。
産業事業では、産業用生産・加工設備用システム、自動車試験システム、発電・電源システム、上下水道設備システム、車載用電機品などを提供しています。関連会社には、東洋産業㈱、㈱ティーディー・ドライブ、SIAM TOYO DENKI Co.,Ltd.(タイ)、中稀東洋永磁電機有限公司(中国)などがあります。
ICTソリューション事業では、駅務機器システムやIoTソリューション(クラウド型遠隔監視制御システム)を提供しています。
当社グループは、これらの事業を通じて、社会・顧客・株主に貢献し、未来に挑戦し、信用を高めることを目指しています。また、サステナビリティ方針に基づき、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めています。具体的には、製品・サービスにおける取組み、生産活動における取組み、人と地域を大切にする取組みの3つの視点でサステナビリティを推進しています。