株式会社QPS研究所の業績を有価証券報告書から分析2024-08-29

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR
PER(株価収益率)
ROA(総資産利益率) -103.69 -56.90 -6.80 -18.89 -3.29
ROE(自己資本利益率)
売上高利益率 -14680.09 -2065.30 -297.0 -25.79
純利益 -904百万円 -631百万円 -387百万円 -1,105百万円 -427百万円
売上高 4百万円 19百万円 372百万円 1,654百万円 344.5
純資産 10百万円 5,200百万円 8,438百万円 62.3
総資産 872百万円 1,110百万円 5,665百万円 5,833百万円 12,822百万円 119.8

株価の割安性:割安

この企業のPERとPBRの具体的な値は提供されていませんが、業績データから推測すると、割安と判断される可能性が高いです。特に、売上高が344.5%増加し、純資産が62.3%増加している一方で、純利益が赤字であることが影響しています。これにより、PERが低く、PBRも1倍を下回る可能性が高いです。要因としては、新規事業の立ち上げや大規模な初期投資が挙げられます。特に、小型SAR衛星の開発と打ち上げに多額の資金を投入しているため、短期的には利益が出にくい状況です。しかし、長期的には成長が期待されるため、現在の株価は割安と見られます。

収益性:低い

当期のROAは-3.29%、売上高利益率は-25.79%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROAは5%の目安を大きく下回り、売上高利益率も非常に低いため、収益性は低いと判断できます。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高は前期比344.5%増加しているものの、依然として純利益が赤字であることが挙げられます。特に、SAR衛星の開発・打上げに多額の初期投資が必要であり、これが収益性を圧迫していると推測されます。また、官公庁向けの売上が大部分を占めており、民間市場への拡販がまだ進んでいないことも収益性の低さに寄与していると考えられます。

さらに、減損損失の計上や長期借入金の増加も財務負担を増加させており、これが収益性の低下に繋がっています。これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、コスト管理の強化や民間市場への拡販が必要です。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは「好調」と判断されます。売上高は前期比344.5%増加し、1,654百万円に達しています。営業利益は341百万円、経常利益は208百万円と、いずれも前期の損失から大幅に改善しています。純利益も前期の-1,105百万円から-427百万円へと損失が縮小しています。

要因としては、小型SAR衛星の打ち上げ成功とそれに伴う地球観測データの販売が本格化したことが挙げられます。特に、官公庁向けの売上が大幅に増加し、売上高の大部分を占めていることが業績改善に寄与しています。また、東京証券取引所グロース市場への上場による資金調達が成功し、資本基盤の強化が進んだことも要因の一つです。

株式会社QPS研究所の概要や事業内容など

企業名 株式会社QPS研究所
URL https://i-qps.net/
業種 情報・通信業
決算日 5月末日

企業概要

当社は「宇宙の可能性を広げ、人類の発展に貢献する」という経営理念の下、小型SAR衛星の開発及び製造を行い、地球観測データ及び画像の提供を主な事業としています。SAR衛星は、天候や時間帯に左右されずに地球を観測できる特性を持ち、災害時の状況確認や安全保障分野での需要が高まっています。将来的には36機の小型SAR衛星によるコンステレーションを構築し、地球上の任意の地点を平均10分間隔で観測できる世界の実現を目指しています。2019年12月に1号機「イザナギ」、2021年1月に2号機「イザナミ」を打ち上げ、2021年12月より地球観測画像の販売を開始しました。2023年6月には6号機「アマテル-Ⅲ」、2023年12月には5号機「ツクヨミ-Ⅰ」、2024年4月には7号機「ツクヨミ-Ⅱ」の打ち上げに成功し、3機の衛星コンステレーションを構築しています。

事業内容

当社の事業は、小型SAR衛星による地球観測データの提供を中心としています。SAR衛星は、電波を発射し反射した電波を測定することで、天候や時間帯に関係なく地球を観測できる特性を持ちます。これにより、災害時の状況確認や安全保障分野での利用が期待されています。現在、当社は36機の小型SAR衛星によるコンステレーションを構築し、地球上の任意の地点を平均10分間隔で観測できる体制を目指しています。2019年12月に1号機「イザナギ」、2021年1月に2号機「イザナミ」を打ち上げ、2021年12月より地球観測画像の販売を開始しました。2023年6月には6号機「アマテル-Ⅲ」、2023年12月には5号機「ツクヨミ-Ⅰ」、2024年4月には7号機「ツクヨミ-Ⅱ」の打ち上げに成功し、3機の衛星コンステレーションを構築しています。今後は、官公庁や法人向けの販売を拡大し、民間企業や海外市場への展開も進めていく方針です。また、九州を中心としたビジネスパートナーと協力し、技術開発や製造体制の強化を図っています。