株式会社クミカの業績を有価証券報告書から分析2024-08-30

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 4.00 0.58 0.62 7.7
PER(株価収益率) 18.21 18.95 9.60 8.68 33.02 280.5
ROA(総資産利益率) 2.59 2.40 4.40 4.40 1.39 -68.2
ROE(自己資本利益率) 4.09 4.09 7.69 6.69 1.89 -71.6
売上高利益率 10.39 7.30 13.80 10.30 4.5 -56.3
純利益 458百万円 443百万円 835百万円 765百万円 213百万円 -72.2
売上高 4,420百万円 6,037百万円 6,065百万円 7,444百万円 4,765百万円 -36.0
純資産 2,001百万円 11,447百万円 11,253百万円 -1.7
総資産 17,455百万円 18,637百万円 18,948百万円 17,238百万円 15,157百万円 -12.1

株価の割安性:割高

この企業は、PERが33.02倍PBRが0.62倍と、PERが市場平均を大きく上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、純利益の大幅な減少(前期比72.2%減少)や、ROEとROAの低下(それぞれ71.6%と68.2%の減少)が挙げられます。これらの要素が収益性の低下を示しており、投資家からの評価が低くなっている可能性があります。一方で、PBRが0.62倍と低いことから、資産価値に対して株価が割安と見られる面もありますが、全体としては収益性の低さが株価の割高感を引き起こしています。

収益性:低い

当期のROEは1.89%、ROAは1.39%、売上高利益率は4.5%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると低いと判断できます。売上高利益率も4.5%と低めです。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高が前期比36%減少しており、特に開発事業の売上が大幅に減少しています。また、建築資材価格の高騰や金利上昇によるコスト増加が利益率の低下に寄与しています。さらに、特別損失として罰金が計上されており、これも収益性に悪影響を与えています。

これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、コスト管理の強化や高収益案件の獲得が必要です。また、資本効率性を評価軸に取り入れた経営戦略の見直しも重要です。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比36%減少し、4,765百万円となっています。また、純利益は72.2%減少し、213百万円に留まっています。ROAやROEも大幅に低下しており、特にROEは前期の6.69%から当期の1.89%に急落しています。売上高利益率も56.3%減少しており、利益率の低下が顕著です。

要因としては、開発事業の売上高が前年同期比62.0%減少し、セグメント損失を計上していることが挙げられます。また、建築事業もセグメント損失を計上しており、全体的な収益性が低下しています。さらに、建築資材価格の高騰や金利上昇によるコスト増加が利益率の低下に寄与していると考えられます。

株式会社クミカの概要や事業内容など

企業名 株式会社クミカ
URL https://www.cumica.co.jp/
業種 不動産業
決算日 5月31日

企業概要

当社は1970年9月に設立され、主に躯体工事の主要構造部分である型枠大工工事業に特化して事業を展開してきました。経営理念として「ものづくり」にこだわり、現場主義の経験則から社会に広く貢献することを基本方針としています。財務安全性を重視し、経常利益率10%以上と自己資本比率50%以上を目標としています。2024年5月31日現在、当社は従業員数29名、平均年齢47.0歳、平均勤続年数10.9年、平均年間給与6284千円です。労働組合は結成されていませんが、労使関係は円満に推移しています。主要な関係会社として、東京都渋谷区に所在する㈱シーラテクノロジーズがあり、当社の主要株主である筆頭株主です。

事業内容

当社は開発事業、建築事業、不動産販売事業、その他事業の4部門に分かれて事業を展開しています。

開発事業では、マンション開発を中心に行い、建築部門及び躯体工事業の自社施工を活用して独自のローコストオペレーションを確立しています。高品質なコストパフォーマンスの高いマンションを提供し、都心物件を中心に開発物件の販売を行っています。

建築事業では、請負工事及び注文住宅の企画、設計、施工を行い、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の住宅、マンション建築などを手がけています。また、型枠工事業では、各ゼネコンから受注したマンション及びビル建設等の柱等の構造部分の施工を行っています。

不動産販売事業では、経済環境や市場のニーズに応じて一般不動産の販売を行い、顧客の問題を解決するコンサルティング営業を展開しています。富裕層向けの相続対策用物件や投資用物件の仕入れを迅速に行い、利益率の高い物件の確保に努めています。

その他事業では、自社収益物件の管理、賃貸住宅の仲介・管理及び不動産の売買仲介事業を行っています。

当社は、シーラテクノロジーズとの資本業務提携を通じて、両社の強みを活かし、不動産市場において新たな成長戦略を打ち出し、企業価値の向上を目指しています。