ダイコー通産株式会社の業績を有価証券報告書から分析2024-08-30

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 10.97 0.79 0.87 10.0
PER(株価収益率) 13.5 10.5 9.10 9.69 11.39 17.5
ROA(総資産利益率) 4.09 5.59 4.69 4.40 3.79 -13.6
ROE(自己資本利益率) 9.60 12.39 10.19 8.39 7.80 -7.1
売上高利益率 3.59 4.40 4.0 3.59 3.5 -2.8
純利益 565百万円 790百万円 704百万円 615百万円 602百万円 -2.1
売上高 15,544百万円 18,092百万円 17,581百万円 17,148百万円 17,222百万円 0.4
純資産 584百万円 7,511百万円 7,856百万円 4.6
総資産 13,736百万円 14,082百万円 14,879百万円 14,104百万円 16,027百万円 13.6

株価の割安性:割安

この企業のPERは11.39倍、PBRは0.87倍であり、いずれも市場平均を下回っているため、割安と判断されます。割安の要因としては、売上高がほぼ横ばいである一方、純利益が減少していることが挙げられます。また、ROAやROEの低下も見られ、収益性の低下が株価に影響を与えている可能性があります。さらに、特定の大型案件の終息や、競争激化による収益性の低下も影響していると考えられます。

収益性:低い

当期のROEは7.8%、ROAは3.8%、売上高利益率は3.5%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると平均的から低いと判断できます。売上高利益率も3.5%と低めです。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高はほぼ横ばいで、成長が見られないことが挙げられます。また、売上総利益率が低下していることから、コスト管理や価格競争の影響が大きいと推測されます。さらに、特需案件の減少や日常取引の増加に伴い、収益性の高い案件が減少していることも影響していると考えられます。

これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、コスト管理の強化や高収益案件の獲得が必要です。また、日常取引の増加を収益性向上に繋げるための戦略も重要です。

業績のトレンド:横ばい

この企業の業績トレンドは「横ばい」と判断されます。売上高は前期比0.4%増加し、17,222百万円となっていますが、純利益は2.1%減少し、602百万円となっています。ROAやROEもそれぞれ13.6%と7.1%減少しており、利益率の低下が見られます。売上高利益率も2.8%減少しています。

要因としては、特定の大型案件の終息や、材料価格の高騰が影響している可能性があります。特に、西日本ブロックでの大型メガソーラー案件の終息が売上高と利益の減少に寄与しています。一方で、東日本ブロックや東海北陸ブロックでは売上高が増加しており、地域ごとの業績にばらつきが見られます。

ダイコー通産株式会社の概要や事業内容など

企業名 ダイコー通産株式会社
URL https://www.daiko-tsusan.co.jp/ja/index.html
業種 卸売業
決算日 5月31日

企業概要

当社は、CATV及び情報通信業界において、国内外の高度な技術情報と高品質・低価格の商品を提供することを通じて、ネットワーク社会の発展に貢献することを社是としています。全国主要都市に13拠点の営業所を配置し、顧客のネットワーク整備やシステム構築に際して、最先端技術の情報提供やネットワーク構築に関する提案を行っています。仕入先は電線・ケーブル製造業者、通信機械器具製造業者、金属製品製造業者などの国内外のメーカーであり、通信工事施工業者、電気通信事業者、電力会社、官公庁などの顧客に販売しています。当社の取扱商品はケーブル、材料、機器に分類され、屋内通信工事、屋外通信工事、電力工事などに使用されています。また、当社は独立系の専門商社であり、仕入先及び販売先が多岐にわたっているため、事業環境の変化に柔軟に対応できることが特徴です。当社の取扱商品は約43,000点にのぼり、取引の約7割を仕入先からの直送取引で対応しています。さらに、当社は自社物流網を整備しており、全国各地の顧客へ商品を効率的に流通させる体制を構築しています。

事業内容

当社は、CATV及び情報通信ネットワークに使用される各種商品(ケーブル、材料、機器等)の仕入及び販売を主な事業としています。具体的には、LANケーブル、WANケーブル、同軸ケーブル、光ケーブルなどのケーブル類、接続材、架線金物類、宅内引込・配線材料などの材料類、幹線・宅内引込機器、センター設備機器、通信機器、ネットワーク機器、測定器などの機器類を取り扱っています。これらの商品は、屋内通信工事、屋外通信工事、電力工事などに使用されます。当社は、全国を「四国九州ブロック」「東日本ブロック」「西日本ブロック」「東海北陸ブロック」の4つのブロックに分けて管理し、地域ごとの顧客ニーズに対応しています。また、当社は独立系の専門商社であり、仕入先及び販売先が多岐にわたっているため、特定の相手先に依存せず、柔軟な事業展開が可能です。当社の売上は、日常的な受注によるものと特需等の受注によるものに大別され、顧客の多様なニーズに対応するために、最新の商品情報を入手し、商品戦略へ反映しています。さらに、当社は自社企画商品を海外で製造委託し、コスト・リーダーシップを発揮できる商品を提供することで、一定の利益率を確保しています。物流面では、全国に自社物流網を整備し、配送費用の増加を抑制しつつ、顧客からの大量発注にも対応しています。