新装版 星降り山荘の殺人 (講談社文庫)
- 雪に閉ざされた山荘で、交通手段も通信手段も断たれた中、個性的な面々が集まる。怪しいUFO研究家たちなど、一筋縄ではいかない登場人物が織り成す、緊迫のミステリー。
- 星園詩郎の推理が光る本格ミステリー。読み手が犯人を推理できるフェアな構成の中で、雪の孤立空間が生む恐怖と緊張を存分に味わえる一冊です。
- 雪山の山荘で起こる殺人事件を描いたクローズドサークルミステリー
- 斬新なトリックやどんでん返しが魅力だが、人によっては合わない場合も
- ファンの多くは叙述トリックの巧妙さに驚かされたとの声が多い
- 一方で動機やトリックの部分に不満を持つ人もいる
- 映像化を望む声や再読して伏線を確認したいという意見が多いのも特徴
新装版 星降り山荘の殺人 (講談社文庫)について
「新装版 星降り山荘の殺人」は、孤立した山荘を舞台にした、いわゆるクローズドサークル形式の本格推理小説です。雪に閉ざされて交通も連絡手段も断たれた状態の中、UFO研究家をはじめとする個性的な登場人物たちが巻き込まれる事件が大きな見どころとなっています。ミステリー好きにとってはたまらない要素のひとつである「雪山」「山荘」「密室的状況」などがふんだんに盛り込まれ、王道を踏襲しながらも一筋縄ではいかないトリックが用意されています。
著者の倉知淳さんは、紡ぎ出すロジックの緻密さや、登場人物同士のかけあいの面白さによって人気を集めてきました。本作では、各章の冒頭に作品の進み具合を示すような記述が挿入され、読者に対して堂々と挑戦状を叩きつけているかのような印象を受けます。これが「フェアでありながら奇抜な仕掛け」として読者を翻弄するのです。
新装版 星降り山荘の殺人のポジティブな意見や口コミについて
ポジティブなレビューを見ると、多くの読者がまず「どんでん返しの衝撃」に魅了されたと語っています。たとえば、物語終盤に至るまで「自分は完全にトリックを見抜いた」と思っていても、最後に足をすくわれるような展開が用意されており、「膝から崩れ落ちそうになるほど驚いた」との声が目立ちます。特に「事件の真相が分かったときの爽快感」に言及した声が多く、「フェアさと意外性を両立させた素晴らしい作品」と評価する読者もたくさんいます。
また、キャラクターの個性に惹かれたという意見も少なくありません。UFO研究家やスターウォッチャー星園といった面々が繰り広げる会話には、ユーモアと奇抜な観点が混ざり合っており、重いはずの殺人事件とコメディ要素が上手く調和しているという声が寄せられています。映画化やドラマ化を希望する読者も多く、想像上で配役を考える楽しみも含めて人気があるようです。
さらに、「再読したい」との意見も多いのが特徴です。どんでん返しの伏線や、注意深く読めばヒントが散りばめられている部分をおさらいする目的で、2度3度と読み直すことを望む声があり、リピートしたくなる魅力が作品には宿っているという評価につながっています。
新装版 星降り山荘の殺人のやばい噂や悪い評判・口コミについて
一方で、やはり作品には好みが分かれる部分があり、「やばい噂」と呼べるほど大きなネガティブ情報はありませんが、いくつか気になる点を挙げる声が見られます。たとえば「ストーリーが長すぎる」「クローズドサークルもののわりに、なかなか人が死なない」といったペース配分への不満があります。さらに、事件が起こるまでの展開がスローペースだと感じる人にとっては、途中で読むのをやめたくなることもあるようです。
もうひとつ見逃せないのは、動機やトリックの必然性への不満です。「犯人が2人も殺す理由が薄い」「本格と呼ぶには甘い部分がある」といった意見があり、真犯人の動機やそれを裏付ける根拠が弱いと感じる読者も一定数います。また、各章の冒頭で作者が示す「ここの伏線を見逃さないように」などの工夫が逆に「ミスリードがあからさますぎる」と受け取られる場合もあり、「中途半端な親切心が作品の面白さをそいだ」という声も。
さらに、叙述トリックに警戒慣れしている読者から見ると仕掛けが早い段階で透けて見える場合があり、「フェアを装いながらアンフェアに感じる」と評する声も散見されます。とはいえ大半は、新しい角度の楽しみ方として受け入れているようです。ここまでを総合しても、いわゆる“不買レベル”の噂や深刻なトラブルは見当たらず、あくまでも内容やトリックの好みによる評価の差だと言えます。
新装版 星降り山荘の殺人はどんな人におすすめ?
雪山や山荘を舞台にしたクローズドサークルに興味があり、なおかつどんでん返し系の本格推理にチャレンジしたい方に特におすすめです。叙述トリックや意外性のある構成に慣れていない方なら、見事に騙されたという快感を味わう可能性が高いでしょう。一方で、本格ミステリーを読み慣れている人でも、ラストで起きる仕掛けや展開に「なるほど、こうきたか」と新鮮な驚きを覚えるかもしれません。
逆に、動機の強さや論理展開を最優先して追求しがちな読者にとっては、「ややこじつけ感が否めない」「冗長すぎる」と感じる部分もあるので、そういった点にシビアな方には合わない可能性があります。それでも、軽妙な文体とコミカルなやりとりが好きな方にとっては心地よく読めるはずです。キャラクター同士のテンポの良い会話や、山荘に集まる風変わりな人物設定など、エンタメ要素も強めなので、多彩な要素のミステリーが読みたい方には一読の価値があります。
まとめ
「新装版 星降り山荘の殺人」は、雪深い山荘という孤立した舞台で起こる殺人事件をめぐる、トリッキーで読み応えのある推理小説です。読者に堂々と挑戦するような仕掛けや、ユーモラスで個性的な登場人物のやりとりが魅力で、好評価を得やすい一方、動機の説得力やトリックのフェアさに対する不満も少なくありません。「やばい噂」とまで呼べる大きなネガティブ要素は見当たりませんが、好き嫌いがはっきりと分かれるタイプの作品と言えます。
クローズドサークルや叙述トリックが好きな人はもちろんのこと、ミステリーにあまり慣れていない人でもスッと入り込める親しみやすい文体が特徴です。ラストの衝撃を楽しんだ後に伏線をおさらいするリピート読書の需要が高いのも納得できる仕掛けが用意されています。もし興味を持たれたなら、ぜひ手に取って、あなた自身の目でその真相を確かめてみてはいかがでしょうか。
新装版 星降り山荘の殺人 (講談社文庫)
- 雪に閉ざされた山荘で、交通手段も通信手段も断たれた中、個性的な面々が集まる。怪しいUFO研究家たちなど、一筋縄ではいかない登場人物が織り成す、緊迫のミステリー。
- 星園詩郎の推理が光る本格ミステリー。読み手が犯人を推理できるフェアな構成の中で、雪の孤立空間が生む恐怖と緊張を存分に味わえる一冊です。
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