天皇の国史[下] (PHP文庫)
- 中世（鎌倉時代）から令和までを網羅した歴史書。歴代天皇と皇室の歩みを掘り下げ、日本の根幹を見つめ直す通史です。上下巻合計856頁の圧倒的なボリュームを誇ります。
- 著者は明治天皇の玄孫・竹田恒泰氏。憲法学や史学を専門とし、長年の研究と執筆を経て完成させた集大成。皇室や国家の本質を多角的に探る独自の視点が魅力です。
- 本書は、著者が掲げる「天皇の国史」を軸に中世から現代に至る日本の歴史を描いている
- ポジティブな意見としては、教科書だけでは触れきれない歴史観を補完・刷新できるとの声がある
- やばい噂や悪い評判としては、新たな解釈があるわけではないとの指摘や、歴史観が偏っていると感じる人もいる
- 近現代史の空白を埋める視点を提供してくれるため、歴史観を深めたい人におすすめ
天皇の国史[下] (PHP文庫)について
「天皇の国史[下] (PHP文庫)」は、竹田恒泰氏による通史の後半部分を扱う書籍です。中世の鎌倉時代から令和まで、歴代天皇を中心に日本の歴史がどのように展開してきたかをまとめています。上巻と下巻を合わせると800ページ以上にもおよび、筆者の研究や考察の集大成とも言える大作です。日本とは何か、日本人とは何者かという問いに対する一つのアプローチとして書かれており、文庫版化にあたり加筆修正もされているのが特徴です。
この下巻では、北条氏や後醍醐天皇、正親町天皇や後水尾天皇など、日本史の教科書ではあまり深く扱われない朝廷の動きから、大政奉還や昭和天皇にまつわるエピソード、さらには令和の時代までが視野に入っています。皇室関連の歴史を中心に学びたい方にとっては、通読することで日本史全体を俯瞰できる構成になっています。
また、単行本版に加えてのアップデートが施されており、歴代天皇の一覧なども巻末に付録として設けられています。専門的な内容も含む一方で、全体的に筆致はわかりやすく書かれているとの声もあります。多面的な視点の中で皇室の歴史に触れたいという読者に注目されている一冊です。
天皇の国史[下] (PHP文庫)のポジティブな意見や口コミについて
まず、この本のポジティブな評価として挙げられるのが「天皇についての知識や歴史の再確認ができた」という意見です。特に学校教育を受けた段階で習ったこと以外に、新しい視点や再解釈が得られたという声があります。「偏りと感じる面もあるかもしれないが、自分がこれまで学んできたことも偏っていたために、良い修正ができるきっかけになった」という読者の感想も興味深いところです。
また、戦後史にある種の空白や偏見を感じていた読者にとって、この本は昭和以降の日本がどのように歩んできたのかを振り返るよい機会になったという口コミもあります。特に、明治天皇崩御から昭和30年以前の時代を中心に、一般の教科書では掘り下げることが少ない出来事に触れられていることが評価されています。さらに、「短命に終わった朝廷や、天皇と武家政権との関係性にまつわるエピソードなどを体系的に理解できる」という点も、読者の知的好奇心を満たしているようです。
天皇や日本の歴史を肯定的に見つめたい人にとっては、近現代の大日本帝国憲法の成り立ちから日本国憲法への流れまで、筋道を立てて解説されている点も好評です。「８月革命説のデタラメさが理解できる」との感想もあるように、従来の説を再検証する姿勢が好感を持たれていることも特徴となっています。
天皇の国史[下] (PHP文庫)のやばい噂や悪い評判・口コミについて
一方で、「天皇の国史[下] (PHP文庫)」に対するやばい噂や悪い評判としては、「雑誌やメディアで扱われているような新解釈を期待したが、特に新しい内容はない」という声があります。これは日本史に詳しい読者が抱きやすい感想であり、「歴史の教科書に毛が生えた程度」という辛口の評価も存在します。
また、「著者自身の立ち位置が明確で、それが歴史記述全体に反映されているように感じる」という指摘もあります。天皇というテーマ自体に強い関心や思想的背景を持っている場合、筆者の主張が偏りと捉えられ、「私には合わない」と感じる読者もいるようです。日本の良い部分ばかりが強調されていると感じる人にとっては、物足りなさを覚えるかもしれません。
さらに、歴史を史料批判などの学術的アプローチで徹底的に学びたい方にとっては、やや主観的すぎると受け取られるおそれもあります。とはいえ、こうした評価は専門性を重視する場合に限ることが多く、一般的な入門書として読むのであれば気にならない人も多いでしょう。
天皇の国史[下] (PHP文庫)はどんな人におすすめ？
この書籍は、日本を中心にした世界観を深く理解したい人、そして天皇と日本の歴史とのかかわりを広い視点で捉えたい方におすすめです。特に「天皇や朝廷が歴史上どんな役割を果たしてきたのか」を、鎌倉時代から現代に至るまで通観したい方には最適でしょう。日常の社会科教育や一般的な歴史観ではなかなか触れられない、朝廷が政治や外交に与えた影響を深く知ることができます。
また、昭和天皇の果たせなかった責務や令和への時代転換など、近現代史の見落としがちな点も数多く扱われているため、戦後史や近代史を再検討したい読者にも意味のある一冊となりそうです。歴代天皇の一覧や、関連するエピソードをまとめて押さえたい人にとっても強い味方となるかもしれません。逆に、歴史の正しさや学術的厳密さを第一に求める人は、内容を鵜呑みにせずに他の研究書と合わせて検討するほうが良いでしょう。
一方、天皇や皇室に対してそもそも興味がない方にとっては、やや専門的すぎる話題が続く可能性もあります。文庫版になっているとはいえ分量は多めですから、読む際には時間的な余裕を確保して臨むのが望ましいでしょう。
まとめ
「天皇の国史[下] (PHP文庫)」は、著者が掲げる「天皇の国史」という視点で日本史を再検証する大作の下巻です。概ねポジティブな評価が多く、「戦後史の空白を埋めるきっかけになった」「日本の歴史を掘り下げて理解できる」という声が聞かれます。一方で、「新たな発見は少ない」「歴史観が偏っている」といった批判的な意見も存在します。
こうした評価の差は、日本史に対する期待度や著者の見解との相性によるところが大きいようです。天皇・皇室の歴史に焦点を当てた一貫した流れを読んでみたい方、教科書と違う視点を取り入れたい方には価値がある反面、最新の学術成果や中立的な分析を求める方にとっては物足りなさを感じる可能性もあります。
それでも、皇室がどう日本史と関わってきたかを基軸に読むことで、一層深い理解につながるでしょう。日本の歴史観をアップデートしたい方や、皇室史に興味がある方は手に取ってみてはいかがでしょうか。多角的な視点を持ちながら本書を読むことで、自身の歴史観をさらに広げられるはずです。
天皇の国史[下] (PHP文庫)
- 中世（鎌倉時代）から令和までを網羅した歴史書。歴代天皇と皇室の歩みを掘り下げ、日本の根幹を見つめ直す通史です。上下巻合計856頁の圧倒的なボリュームを誇ります。
- 著者は明治天皇の玄孫・竹田恒泰氏。憲法学や史学を専門とし、長年の研究と執筆を経て完成させた集大成。皇室や国家の本質を多角的に探る独自の視点が魅力です。
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