
くろぼね 1
- 大戦の終焉とともに崩壊したガルマ王国。飢餓と無秩序が蔓延する中、バウ・ミュラーは国家社会主義を掲げる「くろぼね」党を結成。真鍋譲治が描く重厚な政治ドラマ第一巻。
- 戦争で分断された民衆の苦悩と権力への渇望を、緻密な歴史考証とダイナミックな画面構成で描く。衝突する理想と現実が交錯する、骨太な政治漫画の幕開け。
- 作品名:くろぼね 1(真鍋譲治・作)
- ジャンル:動物擬人化による戦後政治漫画
- 舞台:敗戦後のガルマ王国(架空世界)での国家社会主義台頭
- 長所:圧倒的な画力と史実を下敷きにした重厚なドラマ
- 懸念点:ナチス的モチーフの扱いによる〈危険性〉や打ち切りによる未完
- おすすめ読者:政治史ファン、真鍋譲治ファン、戦間期ドイツ文化に興味のある方
くろぼね 1について
- 敗戦国「ガルマ王国」の混乱と無秩序を描く
- 主人公バウ・ミュラーが国家社会主義政党「くろぼね」を結成
- 動物擬人化キャラを通じた政治・歴史の再構築
- 作者:真鍋譲治(入魂の政治漫画、連載は打ち切り)
長く続いた戦争で疲弊したガルマ王国を舞台に、大学生のバウ・ミュラーが
祖国再興をかけて「くろぼね党」を旗揚げする物語です。
壁にぶつけられたトマトのように散っていった兵士たち、飢えに苦しむ市民……背景設定は第一次大戦後のドイツ(ワイマール共和国)を強く想起させます。
真鍋譲治の画力で描かれる犬顔キャラクターたちは、時に痛ましく、時に鼓舞的な熱を帯びています。
ただし連載は打ち切りとなり、物語は未完のまま終わっています。
くろぼね 1のポジティブな意見や口コミについて
- 画力・演出力に対する高評価
- 史実と架空設定を巧みに織り交ぜた脚色
- 主人公の情熱と国家再建への理想像に引き込まれる
- 市民視点の群像劇としての説得力
読者の多くは真鍋譲治ならではの圧倒的な画力に魅了され、
第一次大戦後のドイツを想起させる紛糾した社会情勢がリアルに伝わると絶賛しています。
アドルフ・ヒトラーを彷彿とさせる主人公像には危うさもあるものの、
共産主義者や無責任な政治家を敵として明瞭に区別し、
主人公の「祖国を再建する」という純粋な熱意に共感したとの声が多いです。
また、動物擬人化という手法が重いテーマをやわらげ、
読みやすさと深みを両立している点も支持されています。
くろぼね 1の悪い評判や口コミについて
- ナチス的モチーフの扱いに不快感を抱く意見
- 架空世界ながらドイツ色が強く「抗日映画を見た時の不快感」に通じるとの指摘
- 連載打ち切りによる中途半端感
- 過激主義と暴力肯定の危険性
一方で「なぜ架空世界なのにヒトラー的意匠をそのまま用いたのか」
と疑問を呈する読者も少なくありません。
反ユダヤ主義は排除しているものの、
暴力を肯定し法秩序を逆撫でする描写があり、
ナチス的過激主義との〈紙一重〉という危険視の声が根強いです。
加えて連載の打ち切りにより、主人公の行く末や勢力争いの顛末が未回収なまま終わっている点も不満の種となっています。
くろぼね 1はどんな人におすすめ?
- 政治史や戦間期ドイツに関心がある方
- 真鍋譲治の画風・世界観が好きなファン
- 動物擬人化で硬派テーマを読みたい読者
- 暴力のメカニズムやファシズムの魅力と危険性を見つめたい方
本作は単なる娯楽漫画ではなく、ファシズムのカタルシスと危険性を併せて描きます。
歴史の暗部を学びつつ、キャラクターの人間ドラマを楽しみたい方に最適です。
ただし物語は未完のため、完結を望む方には割り切りが必要かもしれません。
過激な政治思想の描写に抵抗がない人、
歴史とフィクションの境界を楽しめる人にこそおすすめです。
まとめ
- 「くろぼね 1」は戦後混乱期を舞台にした政治漫画の佳作
- 画力・構成力は申し分なく、群像劇としての完成度が高い
- ただし〈ナチス的モチーフ〉の扱いに賛否あり、乱暴な暴力肯定描写は注意が必要
- 連載打ち切りで未完だが、続きへの期待は大きい
- 歴史・政治を深く考察したい読者には一読の価値あり

くろぼね 1
- 大戦の終焉とともに崩壊したガルマ王国。飢餓と無秩序が蔓延する中、バウ・ミュラーは国家社会主義を掲げる「くろぼね」党を結成。真鍋譲治が描く重厚な政治ドラマ第一巻。
- 戦争で分断された民衆の苦悩と権力への渇望を、緻密な歴史考証とダイナミックな画面構成で描く。衝突する理想と現実が交錯する、骨太な政治漫画の幕開け。
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